が無理数であることの証明
1.三角関数
下図で
としたときの
と
の関係を
,
で表わす。

但し,
は弧度法で測り,半径1の円弧
の長さを表す。ピタゴラスの定理により,

が成り立つ。

三角関数
,
のグラフは次のようになる。

問. この三角関数の微分は
,
となることを示せ。
2.巾と階乗の比較
は任意の正の数として,数列

を考える。この数列は,
が如何に大きな数であろうとも,
が大きくなると
に近づく。但し,
である。
実際,一つ前の数に
を掛けて
番目の数が出来ているから,初めのうち
の間は段々大きくなることがあっても,
が
を越えると段々小さくなりはじめ,
が
を越えた所からは,次の数は前の数の半分より小さくなっていく。従って,それ以後はどんどん小さくなって
に近づいていくことがわかる。
3.高階微分
1.
の導関数を
で表し,さらにその導関数を
で表す。
2.
とし,
の導関数を
で表わす。
を
の
階導関数という。
, 
である。
3.
のとき,

である。但し,
は
を表わす。
4.同様に
のとき,

である。
4.
の微分係数
二項展開の公式

により,

故に,
では
,
では
となる。また
![f(x)=(-1)^{n}(x-\pi)^{n}[(x-\pi)+\pi]^{n}](./sample1_images/math056.png)

であり,やはり
では
,
では
となる。従って,すべての
に対して
但し
は整数
但し
は整数
の形である。
5.積の微分公式
(Leipniz rule)
[証明]


6.部分積分の公式
微分に関する上述の Leipniz rule を積分に関する式に変形する。いま,
の原始関数を
とすると
. 従って,微分積分学の基本定理により

故に

が成り立つ。これを,部分積分の公式という。
7.積分
の計算
とする。部分積分により,
![I=-[f(x)\displaystyle \cos x]_{0}^{\pi}+\int_{0}^{\pi}f^{\prime}(x)\cos xdx](./sample1_images/math077.png)
![=f(0)+f(\displaystyle \pi)+[f^{\prime}(x)\sin x]_{0}^{\pi}-\int_{0}^{\pi}f^{\prime\prime}(x)\sin xdx](./sample1_images/math078.png)






を得る。
他方,区間
で
なので,
, すなわち,

を得る。
8.背理法
いま
が有理数であると仮定すれば

となる零でない整数
が有るはずである。これを上で求めた式

に代入して,両辺に
を掛け,
で割ると

が得られる。ここで左辺を見れば正の数であり,中間項を見ればこれは整数である。従ってこの数は
でなければならない。他方,最右辺を見れば,
が大きくなると
に近づく。これは矛盾である。
このように
が有理数と仮定すると矛盾が生じるので,
は無理数であると言わざるを得ない。
以上