が無理数であることの証明


1三角関数

 下図で としたときの の関係を , で表わす。

image001.jpg image002.jpg

但し, は弧度法で測り,半径1の円弧 の長さを表す。ピタゴラスの定理により,


が成り立つ。

image003.jpg

三角関数 , のグラフは次のようになる。

image004.jpg

. この三角関数の微分は

,

となることを示せ。


2.巾と階乗の比較

  は任意の正の数として,数列


を考える。この数列は, が如何に大きな数であろうとも, が大きくなると に近づく。但し, である。


 実際,一つ前の数に を掛けて 番目の数が出来ているから,初めのうち の間は段々大きくなることがあっても, を越えると段々小さくなりはじめ, を越えた所からは,次の数は前の数の半分より小さくなっていく。従って,それ以後はどんどん小さくなって に近づいていくことがわかる。


3.高階微分

 1. の導関数を で表し,さらにその導関数を で表す。

 2. とし, の導関数を で表わす。

    階導関数という。 ,
である。

 3. のとき,


である。但し, を表わす。

 4.同様に のとき,


である。


4. の微分係数

二項展開の公式


により,


故に,

では ,

では

となる。また



であり,やはり

では ,

では

となる。従って,すべての に対して

但し は整数

但し は整数

の形である。


5.積の微分公式

 (Leipniz’ rule)


[証明]




6.部分積分の公式

 微分に関する上述の Leipniz’ rule を積分に関する式に変形する。いま, の原始関数を とすると . 従って,微分積分学の基本定理により


故に


が成り立つ。これを,部分積分の公式という。


7.積分 の計算

  とする。部分積分により,









を得る。

 他方,区間 なので,, すなわち,


を得る。


8.背理法

 いま が有理数であると仮定すれば


となる零でない整数 が有るはずである。これを上で求めた式


に代入して,両辺に を掛け, で割ると


が得られる。ここで左辺を見れば正の数であり,中間項を見ればこれは整数である。従ってこの数は でなければならない。他方,最右辺を見れば, が大きくなると に近づく。これは矛盾である。


このように が有理数と仮定すると矛盾が生じるので, は無理数であると言わざるを得ない。

以上